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カジュアル面談

「自分がやるしかない」同じ道を歩み、経験を重ねたCTOとテックリードが語るgrabss

受託開発から自社サービスまでgrabssのすべての開発を担っているシステムソリューション事業部は、これから当社のメインサービス「TIGET」のフルリプレイスに挑もうとしている。

今回は、CTOとして開発組織を牽引している松川雄輔と、6年ぶりにgrabssにカムバックしたテックリードの幸月勇に、復帰の経緯やgrabssらしさ、エンジニアの成長に大事なことや今後の展望について聞いた。

──松川さんはどのような背景から幸月さんにお声がけしたのですか。

松川雄輔(以下、松川):純粋な技術力や経験も当然大事なのですが、色々なペルソナを考えた時に、一番に思い浮かべたのはTIGETそのものをまず知っていること。その上で、私が考えているTIGETの課題やなぜ作り変えないといけないかを、「そうだよね」って説明しなくても理解してくれる人。そう考えて想像したときに、思い浮かんだのは幸月さんだけでした。

TIGETの成り立ちを知っていて、今の状況を理解できる人ってもう世界中を探してもなかなかいない。その瞬間、たまたま夜中でしたけど下平さん(社長)にすぐ電話をしました。

「幸月さんに連絡をとって、松川が会いたいと言っていると伝えてください」と。

でも、2023年の前半にその連絡をしてからしばらく時間が経ちましたよね。私の名前を出したこともあって、幸月さんに信じてもらえなかったらしくて。

幸月勇(以下、幸月):“なんで松川さんが会いたいのだろう…”と。松川さんは私がgrabssを辞めることが決まってから参画していたので、実はほぼ一緒に働いていなかったので。

松川:幸月さんがやっていたことと、私がgrabssでやってきたことってかなり重なるんです。

一人でやったこともないし、できるのかどうかも分からないけど、もう自分がやるしかない。その状況を経験するとスキルも経験も上がっていく。私自身がやるしかない状況で成長した過程があるから、昔の幸月さんのコードや開発したサービスを見たときに、幸月さんが歩んできたものも見えました。自分が歩んだ道と本当に同じようにシンクロするんです。

CTO 松川雄輔

なかなか自分が歩んだ苦労とか良かったと感じる経験を重ねられる人って少ないですよね。

YOUは何しにgrabssへ?カムバックの真相

──幸月さんはいつも「楽しい。戻ってきて良かった!」と仰ってくださいますね。カムバックの決断を振り返ってください。

幸月:当時の経験が凄く楽しかった記憶としてずっと残っています。

まず、受託の案件で色々な経験ができた。採用面接でよく自社サービスがアピールされますが、受託でしか得られない経験がいっぱいあります。クライアントや案件毎に0→1で作って、内容も違えば考え方や作法も違うので、その度に色々なことを学ぶことができるんです。

自社サービスも当時はまだTIGETを立ち上げた時期。メンバーもほぼいなかったので、何かあれば下平さんと二人でアクセスを監視して、どこへ行くにしてもPCを持ち歩いていました。

その時も全く辛いと思ったことがなくて、むしろ自分の作ったものがそのまま世の中に出ていく感覚を味わえるというか。自分の作ったものへの反応が好きなんです。これはエンドユーザーに限らず、受託開発のお客様に対しても同じで、反応が返ってくるのが凄く嬉しい。悪い反応だったら、一瞬“うっ”って思う時もありますけど、“じゃあ、こうしてみよう!”みたいな。

受託も自社サービスも色々な経験が積み重なって、“grabssは楽しい”という気持ちがあったまま出ていっちゃったんですよね。

──いざ、カムバックしていかがですか?

幸月:勿論、当時とはメンバーも違うので不安でした。

でも、戻ってみると“grabssらしさ”はちゃんと残っていて。若いメンバーもすごく勉強熱心だし、温かさもあって、“本当に戻ってきてよかったな。仕事って楽しいな”って感じています。

テックリード 幸月勇

「いい経験が沢山できる」 grabssらしさとは?

──二人が考える“grabssらしさ”をもう少し詳しく教えてください。

幸月:あまり後先考えないで、ワーッとぶつかっていって、それでも何とか大丈夫にしてみせるみたいな。大丈夫じゃないことも多かったですけど…。

それこそgrabssで最初に担当したプロジェクトは相当大変でした。でも、お客様が支えてくださり、下平さんも各所と調整してくれて、何とか納品まで漕ぎつけましたね。当時は「これが最初で最後の案件になるかも」と思ったり、決してうまくいった仕事ばかりではないですけど、大変なことも含めて楽しかった。楽しかったというより、いい経験だった。grabssはいい経験が沢山できるんです。

松川:エンジニアは誰かのやり方を模倣することが凄く大事です。だから、いい経験をしてもらうために模倣するサンプルや出来上がったものはいくらでも渡しています。

ただし、模倣しても結局最後のところまでたどり着くのが自分じゃないと経験も成長率も雲泥の差になってしまう。だから、「最後までたどり着かせるのは自分だよ」って。

そこでたどり着けるかどうかは個人差もありますけど、一つ自分でゴールまで持っていけたらそこで初めて面白いと思える。面白かったらもっと自分で模倣する元となったものに近づこうとするし、模倣されるようなものを作ろうとする。幸月さんや私はそうやって積み重ねてきましたし、開発チームのメンバーも段々とそういう感じになっています。

幸月:今、若手メンバーがヒィーヒィー言いながら開発していますけど、メッチャ楽しそうです。多少のケアはしてあげないといけないのですが、一番オイシイところはやらせたいので、いつもどこまで口を出そうか悩みますね。

最初から全部丸投げされると誰しもビビってしまうのですが、でも、ビビッたそれを自分たちで乗り越えて欲しいんです。

松川:あとは価値観も大事にしています。

幸月さんと価値観が合うのは、目に見える部分だけではなく、コードのカッコ良さ、プログラムにおけるカッコ良さを追求する部分なんです。

一般的な開発の楽しさはTIGETのような自社サービスとか、エンタメ系とか、上流から携われてとか、UIもコミットできてみたいな、そういうよく採用求人に載っているような文言があると思います。

だけど、目に見えないコードの美しさを追求したり、設計全体や採用する言語・フレームワーク、アーキテクチャにこだわっていたり。「なぜ、そうするのか」という部分にこそ美しさを感じたりします。それは他人のコードや設計を見ないと育まれない感覚です。

そういう意味では、元々は組込みエンジニアだった幸月さんがgrabssでWebの開発を始めた頃から、段々使っている言語やフレームワークが変化していました。自分は同じことをやっているわけではないし、違うものを選んでいますけど、何を良いと思って選んでいるのかに似通っている感覚がありました。

そして、そういう価値観を私たちから伝えているところもgrabssの開発者が楽しいと感じられる理由だと思います。人月単価でお金を稼ぐこと、ビジネス的に価値を出すこともエンジニアにとって大切かもしれませんが、そこだけにフォーカスせず、エンジニアとしてのセンスを磨くことをすごく大切にしています。

幸月:コードレビューをする時に、「こうしたらダサいとか、こうしたらカッコイイ」みたいなことはよく話しますし、コードも書いちゃう。別に直さなくてもうまく動いているし、彼らには嫌がられているかもしれないけど、伝えたくてつい書いちゃいます。

「有難いです。もっとお願いします!」と言ってくれるメンバーもいますし、彼らを見ていると面白いというか、成長している姿をこちらも感じ取れるから、なんだか嬉しくなりますよね。

みんな一生懸命打ち込んでくれて、みんな楽しくやってくれて、grabssマインドらしいし、すごくありがたいです。

エンジニアにとって一番大事なこと

──松川さんとは納品して終わりにしないことの大切さをよく会話します。それもgrabssの価値観ですよね。

(インタビュアー 子安)

幸月:納品して終わりにしないのは凄く大事。その後ですからね、大変なのは。0→1すごいみたいな風潮もありますけど。

松川:エンジニアにとって一番大変で、一番成長できる場面は作った後です。一から何かを作って、それが実際に使われて運用されたときに直面する自分の至らなさ、自分が何もちゃんとできていなかったことを直視させられる。

その経験や悔しさが次につながって、「その上でどうするか」を必死に考える事によって対応力が育まれるし、“次はこうしよう”というアイディアが生まれます。

それが経験できる環境はエンジニアの成長にとって凄く大事で、組織としてはそういう環境を意図的に作らないといけないので、失敗しそうなポイントを未然に防ぎすぎないことは最近すごく意識しています。

grabssでエンジニア採用をはじめたころは、そこを先回りして防ぎ過ぎてしまいました。メンバーはなぜそうするのかは分からないけど、言われたからとりあえずそうする。その時は解決しても応用が利かないから次も同じことを繰り返してしまう。結局自分の身につかず、誰かに指摘されないと出来ないままになってしまいます。

だから、こちらは分かっていても我慢して失敗させないといけないんですね。失敗を経験すると次に一から作るときに、どうするかを本気で考えるようになる。そうすれば、いずれは世界中の他のエンジニアや組織が言っていること、取り組んでいることを、“こういうことだったのか”と理解できるようになって、ヒントにできるようになります。

そういう意味では、日々TIGETの保守・運用をしているメンバーは、そういった気づきの宝庫です。

幸月:“もし、これを一から作るとしたら、絶対こうしておいた方がいい”みたいなことですよね。運用を経験しているからこその考えや知見が無数に蓄積されていると思います。

松川:IT業界で最初は誰だってキラキラしたことをやりたいですけどね。でも、そういう泥臭いこと、一番耳が痛かったりするようなことが人を一番成長させる。自分でその場を経験してみないとなかなか分からないけど、そういう経験が大事です。

“ウチの会社はスゴイ!” 全員が胸を張って言える会社に

──TIGETをはじめとしたサービスやチームビルディングなど、今後の展望をお聞かせください。

松川:モダンでグローバルなサービスと戦えるようなプロダクトを生み出せるチームにしたいです。

根底となる技術力は、自分たちの業務だけでは得られないものが沢山あります。だからこそ、自分たちよりもレベルが高いことに挑んでいる企業やサービスからどれだけキャッチアップできるかが大事だと思います。

会社のプロダクトの展望として、本当に世界で戦えるようなスケールするサービスを作りたいし、そのためには技術者が競って成長していかないといけない。開発メンバーにはその辺りのマインドセットの話をずっとしています。

加えて、優れたサービスを提供している会社は、優秀かどうかだけではなく様々なスペシャリストが揃っています。エンジニアもデザイナーもビジネスサイドのメンバーも、みんな各々が成長していくべきだし、「何にこだわって極めているか」という部分を相互に感じて、お互いに高め合っていけば、会社として「うちのプロダクトはスゴイ!」と、自信を持って外に伝えられると思うんです。

自分たちが本心で“うちの会社はスゴイ!” と思っているし、みんなが本気でパッションを持ってやっている。全員が自分の言葉で外に向けて胸を張って言えるようになると、一気に会社として成長が加速していくと信じています。

だからこそ専門的な技術の話だけに留まらず、会社全体のマインドを引き上げるためにはどういった施策が必要になるのか。それは常に考えて、色々進めているところです。

幸月:パッションは欲しいですね。やりたいことがいっぱいある人に入社して欲しいです。自分の中で“こういうものが作りたい!” という強い気持ちがあれば、絶対に何でも楽しい。今のメンバーもそういう意味ではすごくイイ。でも、もっとパッションが欲しい。

松川:強い気持ちという意味では、背伸びは大事にしたいなと思いますよね。技術者もそれ以外の仕事にしても。

何かお話をもらった時に、不安だし、実現できるかどうかも分からないけれども、これはチャンスだなと思ったときに、全力で自分を作って背伸びしてやる、ということを、みんながやってくれるようにしたい。そうやっている人を見たときに、そこに人がついていく会社にしたい。みんなが自分の領域を守るだけじゃなくて、誰かが何かそういうことをやっていたら、「自分も何かできないですか?」と横にいる人も手を上げて携わっていくような、そんな空気にしていきたいです。

幸月:先日、若手メンバーと話していて、「なんで松川さんはいつもあんなに自信を持って言い切れるんだろう。スゴイよね」って。でも、きっと松川さん自身も結構背伸びしているんですよね。

松川:不思議なもので、人間って背伸びしていると背が伸びるんですよ、勝手に。

幸月:ストレッチは大事ですよね。ストレッチしていると思われたくないけど、私も結構していますよ。

誰もが主役になれるgrabssを目指して

松川:会社としては、“grabssって何の会社なんだろう?” と思わせるような方向に行きたいです。例えば、当社も利用している「ジョブカン」を運営している株式会社ドーナツさんは、会社のHPにも「事業領域に制限はなく、さまざまな可能性を追求する」と宣言されています。真似をするわけではないですけど、grabssもそういう会社でありたい。

ジャストアイディアで言うと、財務経理部のメンバーと会話をする中で、経費システムとか会計システムを作ってみても面白い。最初は自社で使うために作ってみて、良かったら「サービスにしてみようぜ」みたいな。

誰もが主役になれる可能性がある。しかも、それを作る人だけじゃなくて、どんな部署のメンバーでも、日の目を見られる。自分が何かを考えて動こうとさえすれば、主役になれるチャンスがある会社にしたい。それは私の個人的な野望です。

幸月:grabssの楽しさってまさにそれです。

そういうことが昔はいっぱいありました。Web会議サービスの「BIZMEE」もその一つだと思います。「これ作ってみたけど、どうする?」って盛り上がってリリースしちゃう、その勢い!

以前は有象無象のアプリがいっぱいありましたから、中にはしょうもないものもありましたけど、またやりたいですね。

松川:そのためにも会社としてメンバーの地盤を作って、色んなことに挑戦できるようにしたい。手を挙げた人が何でもチャレンジできる会社がgrabss。誰もが心理的安全性を感じるなかで、“自分の意見を言ってもいいんだ” という空気をもっと広げたいです。

幸月:エンジニアに限らず、やっぱりいい人が多い会社ですよね。しかも、どの人も受け入れてくれる空気がある。そういう人たちが今以上に貪欲に、パッションを持って、ここで殻を破ってくれると、きっとスゴイことが実現できると信じています。